色のこと
【デザイン豆知識vol.2】
「色のこと」皆さんはどのくらいご存知ですか?
ご存知の通り、2019年5月1日より新年号「令和(れいわ)」がスタートしました。
「令和慶祝カラー」としてJAFCAから、
「令和」の由来である万葉集の「梅花の歌」から日本を代表する花の色、
「梅」「菫」「桜」を選定したことを発表されました。
私たちの身近で暮らしの中に溶け込んでいる色であり、
「自然の美しさを愛でる穏やかな日々が未来永劫続くように」
と願いを込めてと深く優しい想いもあるようです。
ピンク色は愛と幸せの象徴色、
新しい年号にふさわしい色ですね。
色の持つ意味やイメージは様々な形であります。
色のイメージ
例えば赤色(膨張色)はエネルギーや生命の強さを感じる色です。
情熱、強さ、攻撃的、怒り、危険、とパワーのある色と言えます。
青色(収縮色)は知性、信頼感を感じる色です。
爽やか、誠実、信頼、冷たい、寂しさと老若男女に愛される色。
コーポレートカラーやビジネスなどのシーンでよく使われていますね。
ですが国が変われば色のイメージも変わるようで、、、
我が国日本では白色に対するイメージは純潔、潔白、真実などのイメージがありますが、
ベトナム・ヒンドゥーでは、不吉や死といったイメージがある負の色だそうです。
多様色覚性
しかし、同じものを見ていても見え方は人それぞれで、人のものの見え方は非常に多様なのです。
代表的な例では、色の見え方が異なる色覚多様性が知られています。
日本人では、90%以上の人はC型色覚(あるいは一般色覚)、
男性では20人に1人、女性では500人に1人程度は、それ以外の色覚をもっています(P型、D型、T型等)。
C型色覚の人は虹色を7つの色に分離して認識することができますが、それ以外の色覚の人は同じように色を認識することができません。
そのため、信号の色分けや、危険や警告を表す赤色などは、C型以外の色覚をもった人にとって認識しづらい時があります。
色覚多様性に配慮されていない配色は、製品の利用や情報の理解を妨げる障害になのです。
他にも、感覚過敏をもつ人の中には、コントラストの強い色の組み合わせやたくさんの色が使用されているものは刺激が強すぎ気分が悪くなってしまう人もいるようです。
配色についてのバリアフリー化
色弱者の方の場合(その多くはP型又は、D 型)、暖色同士や寒色同士を区別しづらくなる場合が多いです(T型ではそうではない)。
「赤と緑」、「紫と青」、「オレンジと黄緑」などが同じような色に見えてしまいます。一般的に言えば、下の図の場合、縦方向の組み合わせは、一般色覚者の方には区別しやすくても、色弱者の方には区別しづらいのです。
上図は、見え方をシミュレーションしたものです。
色の違いを利用しわかりやすくしたいならば、2つのことに気をつける必要があります。
「暖色系同士、あるいは寒色系同士を組み合わせないこと」と、「明度の似た色を組み合わせないこと」です。
暖色と寒色同士・明度に差をつけることにより2つの色を区別できるようになります。 また、色相と明度の両方を変えることで3つ以上の色を組み合わせることも可能になります。
文章の一部を強調したいには、文字の色を「赤」にしてしまいがちです。
色弱者にとっては、赤という色は黒とは区別しづらい色になります。同様に、緑色も黒とは区別しづらいことの多い色です。
比較的明るい赤や緑を用いれば黒とは区別できるのですが、そうなると一般色覚者にとっては眩しすぎる色になります。このような問題を解消するためには、オレンジや水色を使うと良いと言われています。
また、強調を色だけに頼るのではなく、下線や太字を併用することが効果的です。
配色のまとめ
色にはたくさんの意味があり、
知識を深め、実践することにより色彩のセンスを磨くことができます。
又、一般色覚者をベースに配色を行うのではなく、色弱者の方にも理解ある配色を行うことが多様性に配慮した「ユニバーサルデザイン」となりえますね。
情報を取り多くの人に正確に伝えるために、配色についてのバリアフリー化が求められます。
誰もが心地の良い配色、を目指しましょう!